更年期障害

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公開日:2015/03/26 18:11:50

ホルモン療法*ホルモン補充治療(HRT)とは?効果は?副作用は?気になるポイント解説

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更年期障害の治療で主流となってきたホルモン補充治療(HRT)。保険が効く事で治療として確立してきてはいるものの、海外の普及率と比べるとまだまだ芽がでたばかり。

 

沢山の効果もあるのですが、その副作用や、治療するにあたっての注意点などはもっと知られていません。そんなホルモン補充治療(HRT)についてまとめてみました。

 

更年期障害についてはこちら

 

 

ホルモン補充治療(HRT)は主に足りていないエストロゲンを補充する

エストロゲンの補充

 

ホルモン補充治療(HRT)は、更年期障害の原因であるエストロゲンの低下を補うべく、外からエストロゲンを補充するホルモン治療です。 またエストロゲンだけを注入し続けると、エストロゲンの働きで子宮内膜が分厚くなってしまいます。

 

そうすると子宮内膜がんや子宮体がんの発症に繋がるため、黄体ホルモンも一緒に補給し、生理と似たような出血を起こさせ予防をします。 子宮を摘出してしまった方は黄体ホルモンを摂る必要がありませんので、エストロゲンのみの投薬になります。

 

ピルとホルモン補充治療(HRT)の違い

ピルとの違い

 

よく低容量ピルと何が違うのかと聞かれますが、ピルもホルモン補充治療(HRT)と同じように、黄体ホルモンとエストロゲンが一緒になったホルモン治療薬です。

 

しかし、ホルモン補充治療(HRT)には根本的にエストロゲンの量が5倍近く配合されているため、エストロゲンが急激に減ってしまう更年期障害の治療向きに作られいます。 症状が軽い場合は低用量ピルでの治療も可能です。

 

ホルモン補充治療(HRT)をすることのメリット

HRTのメリット

 

ホルモン補充治療(HRT)をすることで、ホルモンバランスが崩れ自律神経が乱れているのを安定させてくれるため、更年期障害諸症状が改善します。

 

特にホットフラッシュと呼ばれるのぼせ・ほてり・多汗には効果的と言われています。 そのほかにも頭痛、動機、腰痛、しびれ、不眠、不安障害、イライラなど様々な症状に対して改善報告があります。

 

また、ホルモン補充治療を長く行う事によって骨密度を増加させ骨粗しょう症の予防も可能です。

 

<その他病気予防・作用>

◉骨粗しょう症

◉尿失禁

◉膣の乾燥感を防ぎ、性交痛や萎縮性膣炎を少なくする

◉肌の潤い、柔軟性を保つ

◉抗酸化作用

◉心臓血管系疾患(動脈硬化など)のリスクを下げる

◉大腸がんのリスクを下げる

◉脂質以上を改善

◉認知症リスクを下げる

 

ホルモン補充治療(HRT)を受けられない人

HRTの治療を受けられない人

 

ホルモンを補充する事で持病によっては、ホルモンの働きによって悪化させてしまうケースがあるため、ホルモン補充治療(HRT)を受けられない人がいます。

 

◉乳がんにかかっている、以前かかっていた事がある。

◉子宮がんにかかっている

◉子宮内膜がんにかかっている

◉妊娠している

◉血栓系の疾患にかかっている

◉重い肝臓病がある

◉原因不明の不正出血がある

◉心筋梗塞、動脈硬化など血管系の疾患にかかった事がある

◉脳卒中にかかっていた事がある。

 

ホルモン補充治療(HRT)の種類

たくさんの治療法

 

飲み薬(経口薬)、膣錠、貼り薬(貼付剤)、塗り薬(ジェル)があります。 今までは飲み薬が主流でしたが、分解&吸収するために一旦肝臓を通って血液中に入るため、胃腸や肝臓に負担がかかっていました。

 

現在はパッチを貼ったり、皮膚に塗る事で直接血液中にホルモン剤を投薬する事ができるようになったため、胃腸や肝臓への負担が少ない治療もできるようになっています。

 

パッチで痒みやかぶれが出た方は、飲み薬or塗り薬 塗り薬で発疹などが出た方は、飲み薬or貼り薬 といった具合に自分にあった投薬方法を選ぶ事ができます。

 

<エストロゲン>

 

  成分名 商品名 特徴
飲み薬 (錠剤) 結合型エストロゲン プレマリン 現在もっとも使われている製剤
エストリオール ホーリン エストリール もっとも子宮内膜への影響が少なく効果が穏やか。黄体ホルモンをほとんど必要としない。
エストラジオール ジュリナ 飲み薬で低用量(0.5mg)のエストラジオール
経 皮 吸 収 製 剤 貼り薬 (パッチ) エストラジオール エストラーナ エストラダーム 皮膚から直接血中に吸収されるので、胃腸や肝臓に負担がかからない。
塗り薬 (ジェル) エストラジオール ル・エストロジェル ディビゲル 皮膚から直接血中に吸収されるので、胃腸や肝臓に負担がかからない。

 

<黄体ホルモン>

 

  成分名 商品名 (製剤) 特徴
 飲み薬 (錠剤) 黄体ホルモン (プロゲステロン) プロベラ デュファストン ヒスロン プロゲストン ルトラール ノアルテン 子宮体がんを防ぐために、月のうち10~12日間投与する。
子宮内挿入型 黄体ホルモン (レボノルゲストレル) ミレーナ一 度子宮内に挿入すると5年間有効 

 

<エストロゲンと黄体ホルモン配合>

 

  成分名 商品名 (製剤) 特徴
 飲み薬 (錠剤) エストラジオール/レポノルゲストレル ウェールナラ配合錠 エストロゲンと一緒に名手いるため、飲み間違いがない。
貼り薬 (パッチ) エストラジオール/スサンノルエチステロン メノエイドコンビパッチ 経皮吸収製。 剤週2回1枚貼るだけ。パッチでは初めての複合剤。

 

ホルモン補充治療(HRT)の使い方

使い方

子宮がある・閉経して数年経っている・子宮を摘出している女性では治療の方法が変わってきます。閉経は通常1年以上生理が来ていない事を指しますが、稀に1年経った後に生理が突然くる事もあり判断が難しいため、閉経している女性用の治療を受ける判断は、生理が来なくなってから数年経っている事が必要になります。

 

どちらにしろ、沢山のやり方がありますので、自分に合った方法をお医者様と一緒に相談してみましょう。

 

<周期的療法>

生理と似たような出血を促しながらの治療です。 エストロゲンの効果で子宮内膜が厚くなり、子宮がんの確立があがってしまうため基本的に周期的療法をおすすめします。

 

◉経口薬(休薬期間あり

①28日周期で21日間投薬。初めはエストロゲンのみを投与。

②途中10〜12日間は黄体ホルモンも一緒に投与し、内幕が暑くならないように出血を促す

③休薬期間中出血

 

◉経口薬(休薬期間無し

①エストロゲンを連続投与

②途中10〜12日間黄体ホルモンを一緒に投与。

③出血中は黄体ホルモンは休薬、エストロゲンは投薬し続ける。

 

◉パッチ

①エストロゲンパッチを貼る(ものによっては2日に1回)

②途中10〜12日間は黄体ホルモンが配合された配合パッチを張りつける

③休薬期間中出血

 

<持続的併用療法>

※妊娠した状態と同じ状況を作りますので、最初の方で出血や胸のはり、吐き気などがたまにあります。大体3ヶ月ほどで出血は完全になくなります。

 

◉経口薬

エストロゲンと黄体ホルモンを同時期に連続投与します。

 

◉パッチ

エストロゲンと黄体ホルモン混合パッチを連続投与します。

 

<単独投与法>

◉経口薬

エストロゲンのみ連続投与です。 子宮を取り除いた場合は黄体ホルモンを投薬する必要がありませんので、エストロゲンのみの投薬になります。 子宮がある場合でも数ヶ月間はエストロゲン飲みを投与し、更年期障害への効果が得られるか試す事もできます。

 

<ジェル>

◉周期的療法

エストロゲン投薬しかできないため、休薬を設ける場合は出血させるために黄体ホルモンを経口薬かパッチで投薬します。

 

◉持続的併用療法

出血を望まない場合はジェルを連続投与しつつ、黄体ホルモンも一緒に経口かパッチで投与します。

 

◉単独投与法

子宮を切除してしまった場合は、ジェルのみを連続投与します。

 

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ホルモン補充治療(HRT)の副作用

副作用

日本であまりホルモン補充治療(HRT)が浸透してこなかった理由の一つが、副作用にあります。

 

 

◉飲み初めてすぐに不正出血、下腹部がチクチク、吐き気、胸のはり、胃の不快感が起こる

ピルと同様で、女性ホルモンの働きによって起こってしまいますが、これは3ヶ月も使い続けてれば徐々に薄れてきます。 いつもと違う痛みなどが伴ったりしている場合は薬の量を減らしたりすることもできますので、1度お医者様に相談をして検査しましょう。

 

乳がんへのリスク

投薬5年以内でのリスクは全くありません、10年以上使った場合に通常の1.2〜1.4倍になると言われています。これは35歳以上で初産を経験した人や、出産経験のない女性の乳がんリスクよりも低い確立です。

 

現在はがんが発見されても、初期段階であれば9割完治する事ができるようになりました。ですので、乳がんのリスクが心配な方は、定期検診をしながらホルモン補充治療(HRT)を受ければ安心して受ける事ができます。

 

乳がんのリスク

 

子宮がんのリスク

子宮がんのリスクですが、ホルモン補充治療(HRT)のやり方でリスクがあがります。 リスクのある投与法は休薬を持たず出血を起こさない継続的併用療法や単独投与法です。

 

エストロゲンの役割は子宮膜を作ることですので、強いエストロゲンを投与し続けると子宮内膜が厚くなり、がん化する可能性があるのです。 ですので、継続的併用療法などをする場合のエストロゲンは、周期的療法に比べると量を調節して少ないものを使い予防します。

 

血管系、脳血管、肝機能の病気発症リスク

経口薬を使用すると、肝臓で一度分解された後、血液中に溶け込んで全身を回ります。 この際に血液の凝固因子が二人することが分かっています。稀な事ではありますが、放ってはおけませんよね。

 

そこで開発されたのが貼付剤(パッチ)ジェルの投薬方法です。この2つを使用すれば、皮膚から直接血液に流れ込むため血管系、脳血管、肝機能の病気発症リスクは激減する事ができました。

 

投薬中に限らず定期検診を必ず受ける

定期検診の大切さ

 

ホルモン補充治療(HRT)をしていてもしていなくても、人間は生きて行く以上、いつどんな病気になるかわかりません。更年期障害の症状は改善している裏で、また違う病気がカラダを蝕んでいる事も十分に考えられます。

 

定期的に乳がん検査や子宮がん検査、肝機能検査などを受けてください。 またホルモン補充治療(HRT)治療は、副作用などが気になったり、他の病気で治療を断念せざるを得ない状況になるまで、自分の判断でいつまでも続ける事ができます

 

また、人によってはホルモン剤を投入する事は、元々のカラダの作りに意に反しているという方も中にはいらっしゃいます。しかし、昔と違って平均寿命の長い今の日本の女性が、いかに健やかに老年期を過ごすのかが現代の課題だと思うのです。

 

そのために医療の手を借りるのは何ら問題ない話です。苦しくて辛い、そう思いながら生きて行くよりも、今日も毎日が明るくて楽しい!と思って過ごした方が、カラダのためにも良いのは明白かと思います。

 

最後に

まとめ

 

ホルモン補充治療(HRT)で改善の兆候が見られれば、気持ちも明るくなりますし、カラダが軽くなれば、好きな事を沢山してストレス発散ができるのも素敵ポイント。

 

また、普段から定期的な運動とバランスの良い食事を摂る事で、薬に頼らないカラダ作りも目指して行きましょう。

 

 

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