婦人病・その他

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公開日:2015/06/01 16:45:33

子宮筋腫とは?症状、原因、治療法まとめ

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子宮筋腫は30〜50歳の5人に1人はもっていると言われている病気です。誰でもなりえる病気だからとはいえ、できる場所によっては不妊の原因にもなってしまいます。今回は子宮筋腫の症状や治療・手術法、予防策などについてまとめてみました。

 

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子宮筋腫と原因

 

子宮は丁度ニワトリの卵と同じ大きさで、平滑筋(へいこつきん)という筋肉でできています。出産の時は平滑筋が収縮して赤ちゃんを外に出す働きをします。

 

子宮筋腫とは平滑筋にできる良性の腫瘍の事です。 腫瘍ができたり大きくなる原因は、女性ホルモン中のエストロゲンが作用していると言われています。そのため閉経を迎えた後は腫瘍が大きくなる事はありません。むしろ萎縮してなくなってしまいます。

 

なぜ平滑筋にできるのかという事はまだよくわかっておらず、初経が来た後から子宮筋腫ができる事から、平滑筋自体にエストロゲンに作用される細胞か何かがあると言われています。

 

前述したように、30〜50歳の5人に1人は子宮筋腫があると言われており、かなり小さいものまで含めると、閉経を迎えるまでにほぼ全員の子宮には子宮筋腫が1〜数個できていると言われているほどなりやすい病気です。

 

子宮筋腫と子宮肉腫の違い

 

良性の腫瘍と言われれば、悪性の腫瘍もあるのでは?と不安になりますよね。子宮筋腫自体は良性の腫瘍ですので、数が増えたり大きくなる事で他の子宮周りの期間に影響が出る事があります。ですが筋腫自体がガンやその他悪性腫瘍になる事はありません

 

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しかし、ごく稀に悪性腫瘍ができる事があります。それが子宮肉腫と言われているものです。子宮筋腫とは全くの別物なのですが、形が似ている事から判別する事が難しいものになっています。

 

MRI(磁気共鳴映像法)を使う事である程度は解析できますが、MRIを置いている病院は中々ありません。いきなり大病院を訪れる方も少ないかと思いますので、30歳を超えたあたりからは定期的に検査を受けておくのがベストかと思います。

 

特に閉経を終えたあとにできたり大きくなった子宮筋腫は、子宮肉腫の可能性が高く、他にも治療中に急に大きくなる子宮筋腫も注意が必要です。

 

子宮筋腫の症状

 

子宮筋腫の主な症状は急激に増えだす経血量と、レバー状の経血、貧血が代表的な症状になります。ですが、ほとんどが無自覚のまま定期検査などで指摘を受ける事が多いと言われています。

 

子宮筋腫ができる場所によってその影響は様々です。子宮膜に近い場所であれば小さくても出血量が増える事もありますし、膀胱の近くであれば膀胱が圧迫されて頻尿になる事もあります。

 

気付かずに放っていると段々と子宮筋腫は大きくなり、摘出手術時の平均60g前後の子宮筋腫が、1〜2キロの重さになってやっと発見される事もあります。インドでは13キロもの子宮筋腫が摘出されたニュースもありました。さすがにここまで放っておく方は中々お目にかかれないかとは思いますが、放っておくと平気でそのサイズまで大きくなる事がわかりますよね。

 

さらに筋腫が大きくなる事によって感染を起こしてしまった場合、その際死んだ細胞などがおりものとして外に排出される事があります。膿みと同じですので、黄色いおりものや、時には発熱を伴います。

 

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<症状>

 

●経血量の増加

●下腹部痛、生理痛

●貧血(立ちくらみ、動悸、めまい、疲れやすい)

●頻尿

●お腹の違和感

●むくみ

●発熱

●おりものが黄色い

 

子宮筋腫ができる場所と不妊

 

子宮筋腫ができる場所によっては不妊の原因になる可能性があります。特に子宮の内側に筋腫ができてしまった場合は、受精卵が着床しにくくなり不妊になる事が多く、不妊外来で初めて発見される事もあります。

 

仮に妊娠できたとしても子宮筋腫は女性ホルモンに作用されてしまう為、妊娠後も大きくなり続けてしまいます。赤ちゃんが育つ場所で筋腫が大きくなったり、血流の悪さから、場合によっては逆子や流産、早産の可能性も捨てきれません。

 

また、1度手術で摘出した後の妊娠は必ず帝王切開になります。手術時の子宮部分が薄くなっており、赤ちゃんが大きくなる事で子宮が破裂する可能性があるからです。

 

その場合の死亡率は妊婦は1〜2%、胎児に至っては80%とかなり高い数値が出ていますので必ず避けなければなりません。 さらに子宮の内側にできた子宮筋腫が大きくなるにつれ茎を持つ子宮筋腫ができる事があります。

 

茎があるせいで筋腫がぶら下がった状態になり、さらに症状が進行すると茎の部分が伸びて膣内に出てくる事があります。これを筋腫分娩と呼び、出産と同様に陣痛に似た痛みが走ります。出てきた筋腫から細菌が入り込み、炎症を起こす可能性が高くなるので注意が必要です。

 

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<子宮筋腫のできる場所>

 

粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)、有茎粘膜下筋腫

 

一番注意しなければならない筋腫の位置です。子宮の内側に向かって大きくなる為、小さいうちから出血しやすく、不正出血や経血量が増えたり、生理の期間が長くなるといった特徴があります。

 

子宮内で成長する事によって受精卵の着床を邪魔したり、出血によって着床しにくかったりと最も不妊になりやすい場所な為、早期発見が望ましいのですが、不妊検査で発覚する事が多いのも事実です。

 

粘膜下筋腫と有茎粘膜下筋腫の違いは、茎があるかどうかの違いですが、この茎があるせいで筋腫がぶら下がり、段々と伸びてきて子宮の外に出てきてしまう筋腫分娩を引き起こします。

 

さらにこの茎の部分がねじれて腹痛を起こす為、茎が成長する前に子宮筋腫は発見したいところです。 また、子宮筋腫が大きくなる事によって血管を圧迫し、血行障害が起こり炎症、赤色に変性する事があります。

 

筋腫の赤色変性は特に粘膜下筋腫に起こりやすいと言われており、妊娠中に急に大きくなった事で起こりやすく、炎症を起こした事で子宮が収縮し、流産や早産を引き起こすため注意が必要になります。

 

筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)

 

筋肉の中で筋腫が育って行きます。

 

95%の子宮筋腫が筋層内筋腫と言われており、小さいうちは無症状の場合はほとんどです。大きくなると粘膜下筋腫と同様、経血量が増えたりしますが、徐々に大きくなる為、出血量が増えても気付かない場合がほとんどです。

 

卵管などを圧迫するようになると精子が通りにくくなり不妊の原因になります。

 

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)、有茎漿膜下筋腫

 

子宮の外側に向かって筋腫が育って行きます。邪魔するものがないので一番大きくなりやすい筋腫です。

 

症状がほとんどないですが、大きくなるとお腹を触ると異物感があるのが分かるようになります。それでも急激に大きくなったものではない為、太ったかな?程度で済ませてしまう方が多いです。

 

頸部筋腫(けいぶきんしゅ)

 

子宮筋腫は通常子宮の上の部分にできる事が多いのですが、筋腫のできる数が増えてくると下の方にも筋腫が見られるようになります。大きくなる事で膀胱を圧迫し頻尿を引き起こします。この部分が大きくなる事によって筋腫分娩が起きる事もあります。

 

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参照:子宮筋腫の正しい知識

 

子宮肉腫と同じく、まれに子宮筋腫自体が石灰化する事があります。カルシウム不足に陥ると、カラダが骨からカルシウムを補おうとするため、一気に血液中のカルシウム濃度が上がります。これが原因でカルシウムが筋腫に影響を与えて石灰化する事があります。

 

子宮筋腫の治療・手術

 

子宮筋腫自体は、できたからと言ってすぐに大きくなったりする筋腫もあれば、大きさを保ったまま小さいものもあったりと成長速度はバラバラです。

 

小さいうちなどはカラダの影響が出る事がないので経過を見る事が多いのですが、粘膜下筋腫などで出血量が多かった場合は薬物治療で止血剤などを使う事があります。 今後のライフプランに合わせて子宮筋腫だけを取り除いたり、更年期障害の対策として卵巣だけを残し、子宮を全摘出する手術もあります。

 

<薬物療法>

 

筋腫が大きくなる原因であるエストロゲンをピルで調節したり、GnRHアゴニストを使用し人工的に分泌量を少なくさせ、閉経後と同じホルモン量にする事で偽閉経を作る事ができます。

 

しかし、GnHRアゴニストの使用期間は6か月と決まっている為、長期的な治療が望めません。偽の閉経とはいえ、閉経時と同じホルモン量ですので、副作用(更年期障害)がでたり、骨密度が減ってしまう事があるからです。

 

基本的に閉経が近い女性が逃げ込み療法として使用する事が多い治療法になります。 また、漢方で改善する方法もありますが、やはり根本的な解決にはならないため、やめてしまえばまた筋腫は大きくなってしまいます。

 

出産などを望む場合は仕方ありませんが、出産予定がない場合は子宮を全摘出しまった方がメリットが多いのです。

 

●低用量ピル(偽妊娠療法)

●GmRHアゴニスト(偽閉経療法)

●ダナゾール

●漢方

●鎮痛剤、止血剤

 

<手術療法>

 

妊娠を今後望んでおらず、40歳を過ぎていた場合、子宮を全摘出することで今後の子宮がんの予防にもなります。卵巣は残すため、エストロゲンの分泌は止まりませんので更年期障害対策にもなります。

 

乳がんの心配をされる方がいらっしゃいますが、子宮を取り除いたから乳がんになるという正確な関連性はありません。むしろ更年期障害の治療でエストロゲンを大量投与する事で、乳がんになるという実例はあります。さらに乳がんの治療で使われるタモキシフェンを使うと、子宮筋腫が大きくなる事も分かっています。

 

妊娠を望んでいる場合は、子宮筋腫のみを開腹手術や傷が残りにくい内視鏡手術で摘出する事ができます。

 

また、新しい治療法として、子宮動脈塞栓術(UAE)といって子宮の動脈の流れを止めて栄養を遮断し、筋腫の成長を止め小さくする方法です。しかしこの方法はまだ確立されていない上に、強い副作用も報告されており、さらに保険が効きません。

 

もう一つ保険が利かないもので新しい治療法が集束超音波治療(FUS)というものがあります。薬物治療である程度小さくした腫瘍に対し、MRIに寝転がっているだけでカラダに害のない熱エネルギーで焼灼する事で細胞を懐死させて小さくさせます。

 

治療費が40〜50万と高額ではありますが、傷跡が全く残らない、日帰りで治療が受けられるという点ではかなりメリットが多いかと思います。

 

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どちらにせよセカンドオピニオンを使って自分の納得いく治療法を見つけてから治療に望みましょう。

 

●子宮全摘出手術(開腹手術・内視鏡下手術・膣式手術)

●子宮筋腫核出術(開腹手術・内視鏡下手術)

●子宮動脈塞栓術(UAE)

●集束超音波治療(FUS)

 

子宮筋腫の再発

 

現代の女性は早い年齢から初潮を迎える事が多く、子宮筋腫が20代で発見される事もあります。

 

また、逆に初めて出産を経験をする女性は段々と遅くなっており、不妊治療で訪れた時にはかなり大きくなっていたケースもあります。 それでもほとんどの子宮筋腫の症状がでる年齢は30〜50代ですので、定期検診をしっかりと受けていれば早期発見に繋がり不妊になる前に対処をする事ができます。

 

しかし、子宮筋腫が見つかった時点で数が1個であれば治療後の再発はほとんどないのですが、2個以上ある場合は目に見えない子宮筋腫もできている事が多いため8割以上が再発すると言われています。

 

治療をしたからと言ってすぐに安心してはいけません、妊娠する予定がある方は、できるだけ治療後すぐに妊娠、出産する事をおすすめします。

 

子宮筋腫の予防策

 

子宮筋腫を作らない予防策というのは中々難しいところではあります。予防の段階でエストロゲンが少なすぎればPMS(月経前症候群)や更年期障害が出る事もあります。常にバランスが取れた食事や軽い運動など、とにかくストレスを受けやすい環境を避ける事は必要になってくるかと思います。

 

更年期障害治療で使われるホルモン補充治療で筋腫が大きくなる事例もありますので、治療を受ける際は、筋腫があるかないかの確認も事前にしておきましょう。

 

●規則正しい生活

●バランスの取れた食事

●無理なダイエットはしない

●更年期障害治療や避妊目的でホルモン剤治療を行う前は筋腫の確認をする

●定期的な検査を受ける

 

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